病因論と
プラークフリーテクニック
スウェーデンでは長年にわたって
研究を重ねた結果
「健康な歯をずっと守っていく方法」
を見つけました。
ここでは絶対に押さえておきたい
2つのポイントをお伝えします。
1つは自分の口腔内を自己診断
できるようにする「病因論」。
2つ目は誰もが必要となるセルフケア
「プラークフリーテクニック」。
この2つが私たちの予防とどのように
関係するのでしょうか。
それでは、一緒に学びましょう!
自己診断力を上げよう!
むし歯と歯周病の「病因論」
虫歯や歯周病の
始まりは「細菌感染」
むし歯も歯周病も、「細菌」に感染することでスタートする病気。細菌が集まり、絡み合って集落(バイオフィルム)をつくることで、歯や歯ぐきに悪影響を与えます。
でも、どんなふうに……?
口の中にフォーカスを当ててみましょう。
むし歯ができるメカニズム
バイオフィルムを作り出したむし歯菌たちは、口に食べ物が入ってくるとその中の糖分をエサにします。そして「酸」を出します。これが、歯を溶かすもと!とはいえ食事をしただけで歯が溶かされてしまっては困るので、ツバが溶け出した成分をせっせと歯に戻します。溶かされては戻し、溶かされては戻し……。食事のたびに、これが繰り返されているというわけです。
そう考えると通常はむし歯ができない気もするのですが……。イラストの5つの要素がそろうと、むし歯ができる可能性がぐんとアップします。
歯周病になるメカニズム
歯周病は文字どおり、歯の周りの病気。歯と歯ぐきの間に細菌が入り込み、増えることで起きます。
まずは、歯ぐきが少し腫れる「歯肉炎」からスタート。「歯磨きしたら血が出た」というのが一つのサインです。このとき細菌を取り除かずに放置すると、炎症は歯を支える骨にまで少しずつ拡大。歯がグラグラ、歯ぐきがぶよぶよ、何もしなくても血が出る……。CMなどで見かけるあの状態まで行くと「歯周炎」です。
歯周病はほとんど痛みがなく、知らないうちに悪化していくため、「サイレント・ディジーズ」と呼ばれています。
また、イラストの4つの要素がプラスされると歯周病はさらに加速します。
あなたの場合、
何が一番要注意?
このように、歯周病もむし歯も、細菌に感染したからといってすぐに発症したり重症化したりするわけではありません。
どちらも時間をかけて、また様々な要因が重なったときになるもの。つまり「人それぞれ注意すべきポイントが違う」ということ!
「私の場合、何に気をつければむし歯や歯周病にならなくて済むのか?」を突き止めることが、お口の健康を守るうえで一番大切なことなのです。
予防に力を入れている歯科医院では、ツバの力を検査したり歯周病のリスクを調べてくれます。まずは相談できる歯科医院に行き、自分のお口について知ることから始めませんか?
今回ご紹介したのは病因論の一部ご紹介でしたが、もっと詳しく知りたい方は弊社から出版しています「病因論」の本をぜひ読んでみてください。
point
- むし歯も歯周病も、細菌に感染することでスタート
- 発症&重症化の要因は、人それぞれ
- 「自分の場合は何に気をつけるべきか」を知ることが大切
細菌を取り除こう!
「プラークフリーテクニック」
細菌は、
2日以上たまると危険!
むし歯や歯周病の原因となる細菌。実は、2日以上放置すると爆発的に増えることがわかっています。「歯医者さんへクリーニングに行っているから大丈夫」と思っている方も、それだけではダメということがわかりますね。
毎日取り除いて“プラークフリー”の状態にすることが、お口の健康を守る秘訣です。
細菌がたまる場所はどこ?
むし歯や歯周病の原因になる細菌は、どこにたまるのか? 答えは「人それぞれ」です。理由は、歯並びや歯の形、歯の強さはみんな違うから。食事の習慣も歯磨きテクニックも、人それぞれ違うから。
まずは「自分にとって細菌がたまりやすい場所はどこか」を知ることから始めましょう。ドラッグストアの染め出し液で手軽にできますが、ちゃんと調べたいという方は歯医者に行って歯科衛生士さんと一緒に確認するのがオススメです。
わたしに合ったやり方って
どうやってわかるの?
細菌のたまりやすさやその場所が人それぞれ違うとすれば、ケアの道具もやり方も異なります。
「細菌のたまりやすい場所」を特定したら、今度は「どの道具でどうやったら落とせるのか?」を見つけましょう。
あなたに合った、あなただけのプラークフリーテクニックを身につけるためにも、スウェーデンの予防歯科に精通した専門家と一緒に取り組むのがベストです。染め出しをして、細菌のたまりやすい場所を一緒に見つけてくれる歯科衛生士(歯科医院)を探しましょう。
point
- 細菌がたまりやすい場所は、人それぞれ
- 細菌を落とす道具もやり方も、人それぞれ
- 成果を出せる道具&やり方(=プラークフリーテクニック)を見つけることが大切